Gregory Mountain Products創業者ウェイン・グレゴリーは、アメリカのアウトドア業界で当時台頭していたブランドのテントやウェア、そしてバックパックの設計・開発を手掛けてきました。そして1977年、最も情熱を注いできたパックデザインに専念する為、自ら会社を立ち上げることを決意。品質と開発のあくなき追求、比類なき背負い心地の提供、そして「世界中で最も優れたバックパックをつくる」という目標を掲げ、Gregory Mountain Productsは米国カリフォルニア州最南端の街サンディエゴで誕生しました。

1960年代後半から1970年代―それは、バックパッキングが若者たちを虜にした時代です。「誰もが山に入りたがっていた」と後に語るウェイン自身も、この時代に青春を過ごした世代。彼と彼の作るパックのルーツはこの時代にあります。

14歳の時にボーイスカウトプロジェクトの一環で、彼の初めてのバックパックとなる木製フレームパックを自作。この事をきっかけにウェインは"これを仕事に出来る"と確信します。バックパックデザイナーとしての彼の原点です。

高校生の頃には変人扱いされるほど、普通ではなかったウェイン。ボーイスカウト時代は活動に必要なギアを、また高校卒業後はバックパックを作ろうと、材料を買いに通い詰めたのがサンディエゴに在るアウトドア専門店「アドベンチャー16」でした。彼のパックの完成度は高く、オーナーであるアンディー・ドロリンガーにモノづくりへの情熱と才能を見込まれたウェインは「アドベンチャー16」の2番目の従業員として誘われ、数年に渡り工場で働く事になります。

22歳の時、妻スージーと2人で自身最初のバックパック会社となる「サンバード」社を設立。500ドルで会社を興し、最大の理解者且つ一番のユーザーである妻に支えられ、これまでにないデザインと機能を持ち合わせたエクスターナルフレームパックの製作を目指します。

やがてアメリカ社会はベトナム戦争と向き合う時代に入りパックのみのデザインを一時休止。1973年、フリーのデザイナーとして寝袋、テント、テクニカルウェアなども手掛け、数々のアウトドア・メーカーの様々なギアを製作、技術や知識、経験をさらに高めました。

1977年にサンディエゴにスージーと2人で「グレゴリー・マウンテン・プロダクツ」社を設立、小さなショップを構えました。以後30年間、本社と生産拠点を共に南カリフォルニアに据えて活動を展開します。そして、マウンテンガイドや一般顧客からのフィードバックを基に新しいアイデアを製品作りに盛り込んで行きました。

ウェインは、バックパックビジネスにおいてフィッティングが何にも勝り重要な物と確信していました。その為に、当時主流であったエクスターナルフレームパックの柔軟性の欠如と、インターナルフレームパックの荷重サポート力の欠如を同時に解決すべくアクティブサスペンションシステム(パック内のステイによりウエストベルトへのスムーズな荷重分散を行う仕組み)を開発。このアイデアは、後のパックデザインを一新する革命的なものでした。やがて、バックパッカーのバイブルとして知られる『遊歩大全』の著者コリン・フレッチャーの耳に彼の店の噂が届き、『遊歩大全・第三巻』でグレゴリーの「カシン」が絶賛され、一気に評判が広がります。

1980年には初のバックパック用サイズ測定機「Fit-O-Matic™」を考案。背面の長さを100人分のサンプルから分類し、XS・S・M・Lという4種のステイを作製。ハーネスとウエストベルトもサイズ別に展開しました。人間工学に基づいた研究、開発、改良の繰り返しが、細かいサイズ設定によりパックを洋服のようにサイズで選べるという概念を生み、オーダーメイドの服の様に身体にフィットするパックを実現。 「One size doesn’t fit all! (フリーサイズではない!)」―パックデザインを一新し、「背負うのではなく、着る」と言うパック界の革命を起こしました。

グレゴリー社の革新的なアイデア、人間工学に基づいたデザイン、最高品質へのこだわり・・・。その情熱は冷める事なく、今日に至るまで最新のパック開発に反映されています。今も尚、ウェイン・グレゴリーは様々な状況下におけるリアリティを追求し、ユーザーの声を聞き、創作意欲をかきたて、新たな開発に取り組んでいます。快適な背負い心地、フィット感、耐久性、機能性を常に追求し、進化を与え続け、それを背負う皆を驚かせ続けるのです。

 

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